40代からコンタクトが乾く?ドライアイと乾きにくいレンズの考え方

40代からコンタクトが乾く?ドライアイと乾きにくいレンズの考え方
執筆・確認: バクテン所長 コンタクトの乾き / 40代の見直し

「40代に入ってから、夕方になるとコンタクトがゴロゴロする」「以前は平気だったのに、最近やたら目が乾く気がする」——同じレンズを使っているのに、見え方や装用感が変わってきたと感じる方は少なくありません。

日本眼科学会は、ドライアイの危険因子の一つとして加齢を挙げており、加齢によって涙の量や性質が低下すると説明しています。そこにスマホやPCで画面を見続ける生活が重なると、「乾く」という自覚につながりやすくなります。

とはいえ、乾きの背景は一つではありません。レンズが合っていないのか、環境のせいなのか、目そのものの状態なのか——切り分けないまま合わないレンズを使い続けると、装用感はなかなか良くなりません。

この記事では、40代から乾きを感じやすくなる背景を整理し、「乾きにくいレンズ」の考え方、自分でできる対策、そして眼科に相談すべきサインまでをまとめます。結論から言うと、大切なのは 乾きの原因を切り分けたうえで、合うレンズを眼科と一緒に選び直すこと です。

結論:まず原因を切り分け、レンズは眼科と選び直す

「乾く=とにかく乾きにくいレンズに替える」と考えたくなりますが、順番が逆です。乾きの背景を切り分けないまま製品だけ替えても、合わなければ装用感は改善しにくいからです。

おさえたいポイントは3つです。

ポイント 具体的にやること 詳しく読む
乾きの背景を切り分ける レンズ・環境・目の状態のどれが主因かを見当づける 乾きの3つのよくある背景
レンズは「素材と装用スタイル」で考える 乾きにくさに関わる要素を知り、単品で決めない 乾きにくいレンズの考え方
最終的な選択は眼科で 度数や目の状態に合わせて検査・処方を受ける 眼科に相談すべきサイン

以下、順番に見ていきます。レンズの買い替えを検討している方は、後半の乾きにくいレンズの考え方から読んでも構いません。

なぜ40代からコンタクトが乾きやすいと感じるのか

40代前後で「乾く」という自覚が増える背景には、いくつかの要因が重なっていると考えられています。先に3つを並べておきます。

要因 何が起きるか 位置づけ
加齢による涙の変化 涙の量や性質が低下する。ただし程度の個人差が大きい 日本眼科学会がドライアイの危険因子に加齢を挙げている
まばたきの減少 通常は毎分約15回→ 画面を見ている間は毎分5〜7回ほどに減る 米国眼科学会(AAO)が紹介している
見えにくさとの重なり 手元が見えづらく目を凝らす → さらにまばたきが減る悪循環 起こり得るという整理。断定はできない

加齢による涙の変化

涙は、目の表面をうるおし守る役割を持っています。日本眼科学会は、ドライアイの危険因子の一つに加齢を挙げ、加齢によって涙の量や性質が低下する と説明しています。これが乾きの感じ方に影響する場合があります。

ただし変化の程度には個人差が大きく、「40代だから必ず乾く」というものではありません。あくまで感じやすくなる背景の一つ、という位置づけで捉えてください。

スマホ・PCでまばたきが減る

画面を集中して見ているとき、まばたきの回数は無意識に減ります。米国眼科学会(AAO)は、通常は毎分15回ほどのまばたきが、画面を見ている間は毎分5〜7回ほどまで減ると紹介しています。まばたきは涙を目の表面に行き渡らせる動きなので、回数が減れば表面が乾きやすくなります。

在宅ワークや長時間のスマホ利用が定着した世代ほど、この影響は受けやすいと考えられます。年齢そのものより、生活スタイルの変化 が乾きの体感を強めているケースも多いのです。

「見えにくさ」と同時に来やすい時期

40代は、手元が見えづらくなる変化(いわゆる老眼)を自覚し始める人が増える時期とも重なります。見えにくさを補おうとして目を凝らすと、まばたきがさらに減り、乾きを強く感じる——という悪循環も起こり得ます。目の疲れと老眼がどう関わるかは目の疲れと老眼の関係でも整理しています。

つまり40代の「乾く」は、単独の症状というより、加齢・生活・見え方の変化がからみ合った結果 として現れやすいと考えると理解しやすくなります。

まず切り分け:乾きの3つのよくある背景

レンズ、乾燥した環境や画面作業、目の状態というコンタクトの乾きに関わる3つの背景
乾きの背景は一つとは限りません。レンズ・環境・目の状態に分けて考え、続く場合は眼科へ相談します。

対策を選ぶ前に、自分の乾きがどれに近いかを見当づけておくと、眼科での相談もスムーズになります。よくある背景は大きく3つです。

1. レンズが合っていない

度数・ベースカーブ・素材・装用期間が今の目に合っていないと、装用感が悪くなり乾きを感じやすくなることがあります。そもそも日本眼科学会は、コンタクトレンズの装用そのものをドライアイの危険因子の一つに挙げています。レンズを使う以上、乾きと無縁ではいられないからこそ、今の目に合ったレンズ選びが重要になります。買った当時から年数が経ち、目の状態や生活が変わっているのに、同じ製品を使い続けているケースは珍しくありません。

2. 環境の影響

エアコンの風、乾燥した室内、長時間の画面作業など、環境や生活習慣が乾きを強めていることもあります。日本眼科学会も、低湿度・エアコン下・送風のある生活環境や、長時間画面を見るライフスタイルをドライアイの危険因子として挙げています。この場合はレンズを替えるより先に、環境側を見直すほうが効くことがあります。

3. 目そのものの状態

涙の量や質、目の表面の状態など、目そのものの要因が関わっている場合もあります。ドライアイと呼ばれる状態もここに含まれますが、これは自己判断で決めつけるものではなく、眼科で確認すべき領域 です。

乾きにくいレンズの考え方(素材と装用スタイル)

ここでは「乾きにくさ」に関わるレンズ側の要素を、一般的な知識として整理します。どれが自分に合うかは眼科での検査・処方が前提 である点を先にお伝えしておきます。

3つの要素を横に並べると、それぞれ「単品では決められない」ことが見えてきます。

項目
素材(シリコーンハイドロゲルか)
含水率
装用スタイル(1day / くり返し)
何を指すか レンズの素材。従来のソフト素材より酸素を通しやすい レンズが含む水分の割合 毎日新品を使うか、一定期間くり返し使うか
乾きへの関わり 酸素供給の面で選ばれる。装用感はデザインや目の状態との相性でも変わる 装用感に関わる要素のひとつ 1dayは汚れが蓄積しない。汚れは不快感の一因になりやすい
誤解しやすい点 「この素材なら必ず乾かない」とは言えない 「高いほど乾きにくい」と数字だけでは決まらない 「1dayが常に正解」ではない。くり返しタイプはコスト面で選ばれる
判断のしかた 検討材料の一つとして見る 数字の高低より、自分の目と生活に合うか 素材・含水率とセットで見直す

素材:シリコーンハイドロゲルという選択肢

近年のコンタクトには、シリコーンハイドロゲル と呼ばれる素材を使った製品が増えています。従来のソフトレンズ素材に比べて酸素を通しやすいのが特徴で、目への酸素供給の面で選ばれることが多い素材です。

ただし「シリコーンハイドロゲルだから必ず乾かない」と言い切れるものではありません。装用感は素材だけでなく、目の状態やレンズのデザイン、装用時間との相性で変わります。素材はあくまで検討材料の一つです。

含水率の「高い=乾きにくい」は誤解されやすい

レンズには 含水率(レンズが含む水分の割合)という指標があります。「含水率が高いほど乾きにくそう」と数字だけで判断したくなりますが、装用感は含水率の高低だけで決まるものではありません。素材やレンズのデザイン、目の状態、使う環境との相性がからみます。

大切なのは数字の高低ではなく、自分の目と生活に合っているか。ここでも眼科での相談が近道になります。

装用スタイル:1day か、繰り返し使うタイプか

毎日新しいレンズを使う1dayタイプは、毎回新品を使うぶん汚れが蓄積せず、乾きや不快感の一因になりやすい汚れの面で有利です。一方で、繰り返し使うタイプはコスト面で選ばれます。

乾きが気になるなら、素材・含水率・装用スタイルを セットで 見直すのが現実的です。単品で「これが正解」と決められるものではありません。

見え方の変化も同時に見直す価値がある

40代で乾きが気になり始めた方は、手元の見えにくさも感じ始めていることがあります。レンズを見直すタイミングは、遠近両方をカバーするレンズ(遠近両用コンタクト)を検討する機会にもなります。

どんな種類があるか、どう選ぶかを先に知っておきたい方は、遠近両用コンタクトおすすめ4選の比較記事で製品ごとの素材や特徴を整理しています。乾きに関わる素材(シリコーンハイドロゲルかどうか)や含水率も一覧で見比べられます。

自分でできる乾き対策(レンズ以外)

20分ごとに約6メートル(20フィート)先を20秒間見る、20-20-20ルールの3ステップ図
米国眼科学会(AAO)が紹介する休憩の目安です。20分ごとに、約6メートル以上先を20秒以上見て、画面から目を離します。

レンズの見直しと並行して、生活の中でできる工夫もあります。いずれも「治す」ためのものではなく、乾きの感じ方をやわらげる一般的な工夫です。

今日から試せるものを、チェックリストにしておきます。

市販の目薬を使う場合も注意が必要です。種類によっては連用が向かないものもあり、コンタクトの上から使えるかどうかも製品によって異なります。自己判断で常用せず、使ってよいか・どれを選ぶかは眼科や薬剤師に相談すると安心です。

眼科に相談すべきサイン

コンタクトの乾きを感じたときに、強い症状の有無を確かめ、レンズ・環境・目の状態に切り分けて眼科へつなぐ判断フロー図
乾きを感じたときの順序です。痛み・強い充血・かすみ・しみるが続くなら、レンズを替える前に眼科へ。背景を切り分けた場合も、改善しないときの行き先は眼科です。

次のような状態が続くときは、レンズを替える前に眼科で相談してください。1つでも当てはまるなら、製品の買い替えより受診が先 です。

こうしたサインは、レンズが合っていない可能性だけでなく、目そのものの状態が関わっている可能性も示します。眼科では目の状態や涙の様子を確認したうえで、必要なケアや、自分に合うレンズの方向性を一緒に考えてもらえます。

よくある質問

40代でコンタクトが乾くのは老化のせいですか?

年齢による涙の変化が関わっている場合もありますが、それだけとは限りません。画面を見る時間の長さやエアコンなどの環境、レンズが今の目に合っているかどうかも影響します。「年齢だから仕方ない」と決めつけず、原因を切り分けることが大切です。乾きが続く場合は眼科で相談してください。

乾きにくいコンタクトに替えれば解決しますか?

レンズの素材や装用スタイルが乾きの感じ方に関わることはありますが、製品を替えれば必ず解決するとは言い切れません。乾きの背景がレンズ以外(環境や目の状態)にある場合は、レンズだけ替えても改善しにくいことがあります。まず原因を見当づけ、レンズは眼科で検査・処方を受けて選ぶのが確実です。

シリコーンハイドロゲルと含水率、どちらを重視すべき?

どちらか一方で決めるものではありません。シリコーンハイドロゲルは酸素を通しやすい素材、含水率はレンズが含む水分の割合ですが、装用感は含水率の数字だけで決まるものではありません。自分の目と生活に合うかどうかが重要なので、数字だけで選ばず眼科に相談してください。

市販の目薬をコンタクトの上からさしても大丈夫?

製品によって、コンタクト装用中に使えるものと使えないものがあります。種類によっては連用が向かないものもあります。自己判断で常用せず、使ってよいか・どれを選ぶかは眼科や薬剤師に確認するのがおすすめです。乾きが続くこと自体が受診のきっかけにもなります。

手元も見えにくくなってきました。乾き対策と一緒に見直せますか?

はい、レンズを見直すタイミングは、遠近両方をカバーする遠近両用コンタクトを検討する機会にもなります。乾きに関わる素材や含水率と、見え方の両方を一度に見直すと効率的です。製品の種類や選び方は遠近両用コンタクトの比較記事も参考にしてください。ただし度数・加入度数の確定には眼科での検査が必要です。

まとめ:乾きは「原因の切り分け」から

最後に要点を整理します。

乾きが気になり始めた今は、レンズそのものを見直す良いタイミングでもあります。見え方の変化も感じているなら、遠近両方をカバーする選択肢まで含めて検討してみてください。

製品ごとの素材(シリコーンハイドロゲルかどうか)や含水率を一覧で見比べたい方は、遠近両用コンタクトおすすめ4選の比較記事へどうぞ。乾きに関わる要素を製品横断で確認できます。

なお、もう少し手前から「そもそも遠近両用コンタクトとは何か・どう選ぶか」を知りたい方は、遠近両用コンタクト完全ガイドから順路を確認できます。

※どの製品を選ぶ場合も、購入前に必ず眼科で検査・処方を受けてください。乾きや痛みが続くときは、まず受診を優先してください。

出典・参考