40代・50代からのTOEICやり直し勉強法|スコアより先に決めること

執筆・確認: バクテン所長 家族×英語 / TOEIC

「昇進の要件にTOEIC®のスコアが入っていた」「転職の面接で英語力を聞かれた」——40代・50代になって、英語がもう一度目の前に戻ってきた。そう感じている方は少なくないはずです。

ところが、久しぶりに問題集を開くと、記号の意味すら忘れている。若い頃のように徹夜もきかない。「何から手をつければいいのか分からないまま、いきなり問題集を買って、数ページで止まってしまう」——ブランク後の再挑戦で、いちばん多い挫折のパターンです。

この記事は、40代・50代がブランクを経てTOEIC(L&R)を再開するための 「やり直しの設計図」 です。編集部が公式情報と一般的な学習のセオリーを整理してまとめました。

読み終えれば、忙しいミドル世代でも遠回りせずに始められる順番が分かります。結論から言うと、コツは 問題集より先に「なぜ受けるのか」を決めること。目的が決まってはじめて、必要なスコアも、選ぶべき手段も、続け方も決まります。

結論:TOEICのやり直しは「問題集より先に、目的を決める」

先に結論をお伝えします。40代・50代がTOEICをやり直すなら、次の順番で設計するのが近道です。

  1. 目的を言語化する — 昇進・転職・副業・自己投資・子との学び直し。何のために受けるのかを1行で書く
  2. 目的から必要スコアを逆算する — 「満点」ではなく「自分の目的に必要な点」を目標にする
  3. 現状を測る — 公式問題集や模試で、いまの立ち位置を1回だけ把握する
  4. 弱点別に手段を選ぶ — リスニングとリーディングのどちらが弱いかで、使う教材が変わる
  5. 続く形にする — すきま時間と、思い出す練習で「戻り続けられる」習慣にする

やってはいけないのは、目的を決めないまま、いきなり分厚い問題集から始めることです。ゴールがぼやけたままだと「何点取れば終わりなのか」が分からず、勉強のための勉強になって、結局続きません。まず目的、が遠回りを避ける道です。

以下、各ステップを順に解説します。

なぜ40代・50代は「スコアより目的が先」なのか

若い頃の受験勉強と、40代・50代のやり直しは、置かれている条件がまったく違います。ミドル世代には、次の3つの事情があるからです。

ミドル世代がぶつかる3つの壁

正直なところ、「またイチから英語かと思うと気が重い」「今さら自分にできるのか自信がない」——そう感じるのは自然なことです。若い頃のように時間も体力も無限ではありません。だからこそ、限られた資源を何に振り向けるかを最初に決める ことが、大人のやり直しでは何より効いてきます。

目的が曖昧だと「勉強のための勉強」で止まる

いきなり問題集を買うと、一見スタートが早く見えます。しかし、目的が曖昧なままだと「今日はどこをやればいいのか」が毎回ぶれ、手応えも見えません。

お金と時間をかけて教材をそろえたのに続かない——これは 目的というゴールを決めずに走り出したソン(損) です。逆に、目的を1行決めておくだけで、「この勉強は自分のゴールに向かっているか」を毎回チェックできます。ほんの15分でできる目的の言語化が、その後の数ヶ月を守ってくれます。

ステップ1:TOEICを受ける目的を言語化する

目的、必要な目標、現状確認、弱点別学習、継続習慣へ進む英語学び直しの5段階
目的を決め、必要な目標と現在地を確認し、弱点に合う手段を選んで短い習慣へ落とし込みます。

最初にやることは、勉強ではありません。「自分はなぜTOEICを受けるのか」を1行で書く ことです。目的が変われば、目標スコアも手段もすべて変わるからです。

40代・50代のよくある目的を、下の表に整理しました。自分に近いものを見つけてみてください。

目的 具体例 意識したいこと
昇進・社内評価 昇進・管理職登用の要件、部署異動の条件 会社が求める基準スコアを先に確認する
転職 応募条件、選考でのアピール材料 志望する求人・業界が見る目安を調べる
副業・リモートワーク 海外クライアント対応、英語の情報収集 スコアより「実務で使う技能」を優先する場合も
自己投資・学び直し 学生時代のやり残し、自分への挑戦 期限と目標を自分で決めると続きやすい
子との学び直し 子の英語学習に付き合って自分も再開 家族で取り組むと習慣化しやすい

ポイントは、目的によって「TOEICが最適な手段かどうか」も変わる ことです。たとえば昇進や転職でスコア提出を求められるなら、TOEICは数値で示せる強力な材料になります。一方、副業で「話せること」が本丸なら、TOEIC(L&R)だけでは足りず、別の学習を組み合わせる判断も出てきます。目的を書き出すことで、そこまで見えてきます。

ステップ2:目的から「必要スコア」を逆算する

目的が決まったら、次は「何点を目指すか」です。ここで大切なのは、満点を目指さないこと。目的に必要な点が取れれば十分で、それ以上は「あれば良い」ものです。

必要スコアを考える前に、TOEICの基本仕様を正しく押さえておきましょう。

そのうえで、必要スコアは 目的・企業・求人によって大きく異なります。ここで安易に「昇進なら◯点」と決めつけると、実態とずれた勉強をしてしまいます。次の一次情報で確認するのが確実です。

大事なのは、外から与えられた目標か、自分で決めた目標かを、はっきりさせる ことです。他人の基準なら正確に調べる、自分の基準なら無理のない期限を置く。これだけで、毎日の勉強が「何のためか」に迷わなくなります。

ステップ3:現状を知る(立ち位置を1回だけ測る)

目標が決まったら、いきなり対策に入る前に いまの自分の立ち位置を1回だけ測ります。現在地が分からないと、目標までの距離も、どこが弱いかも見えないからです。

ここで完璧を求める必要はありません。むしろ 弱点が見えたら大成功 です。次のステップで、その弱点に合わせて手段を選びます。20年ぶりでも、現在地さえ分かれば、あとは差を埋めるだけの作業になります。

ステップ4:弱点別に「手段」を選ぶ

現在地が見えたら、弱いほうから手をつけます。TOEIC(L&R)はリスニングとリーディングの2部構成なので、どちらが弱いかで、使う教材も時間配分も変わります。全部を平等にやろうとすると、時間が足りません。

リスニングが弱い場合

リーディングが弱い場合

手段は、市販の公式問題集・参考書、通学スクール、オンライン英会話、学習アプリなど複数あります。目的と弱点に合うものを選ぶ のが原則で、「有名だから」で選ぶものではありません。

すきま時間中心で進めたい場合は、TOEIC対策に特化した 学習アプリ を使う方法もあります。たとえば スタディサプリ ENGLISH の TOEIC対策コース は、講義動画と演習をスマホで進められる対策アプリの一例です。実際に使えるか・どんな人に向くかといった詳しい中身は、別記事「スタサプ TOEICレビュー(近日公開)」で扱う予定です。

なお、TOEICの手前で「そもそも英語そのものに自信がない」という段階なら、いきなりTOEIC対策から入らず、学び直しの入口を整理するところから始めるのがおすすめです。進め方は英語の学び直しは何から始める?40代・50代の再入門ロードマップにまとめています。

ステップ5:続く学習習慣にする

やり直しの成否を最後に分けるのは、教材の質よりも 「続けられるか」 です。40代・50代は、根性や徹夜に頼れません。だからこそ、忙しくても戻り続けられる仕組み を先に作ります。

続けるうえで押さえておきたい、一般的に効果が高いとされる学習のセオリーが3つあります。

そのうえで、TOEIC学習を続けるための現実的な工夫が次の4つです。

TOEICのやり直しは、「短期間で必ずスコアが上がる」ものではありません。上達には個人差があります。だからこそ、満点や短期集中を狙わず、想起練習と公式問題の反復を細く長く積み上げる ことが、結果的にいちばんの近道になります。学習を長く続けるための一般的な工夫は、英語の学び直しは何から始める?40代・50代の再入門ロードマップにもまとめています。

家族で一緒に学び直すという選択肢

40代・50代のやり直しには、「一人でやらない」 という手もあります。子どもの英語学習に付き合いながら、自分も再開するパターンです。

親が学ぶ姿を見せることは、子どもへの何よりの声かけになります。そして家庭に「英語をやるのが当たり前」という空気ができると、自分自身も続けやすくなります。目的は違っても、取り組みを家族でそろえる ことが、習慣化の後押しになるのです。

家族で使えるオンライン英会話なら、子は英検・受験対策、親は学び直しと、1つの契約で両立できるサービスもあります。家族でシェアする前提での選び方は、家族でシェアできるオンライン英会話比較で整理しています。「自分だけで頑張る」以外の選択肢として、あわせて検討してみてください。

よくある質問

40代・50代からTOEICを始めても遅くないですか?

年齢そのものが不利になるとは限りません。むしろ、目的がはっきりしている大人は、限られた時間を必要なことだけに集中できる強みがあります。学生時代に学んだ文法を「思い出す」形で再起動できる部分も多く、ゼロからのスタートとは違います。大切なのは、若い頃と同じやり方に固執せず、すきま時間と思い出す練習を中心にした、続けられる設計にすることです。

まず何点を目指せばいいですか?

目的によって必要なスコアは変わるため、「まず◯点」という共通の正解はありません。昇進や転職でスコアを求められるなら、会社の要件や求人票に書かれた基準を先に確認してください。自己投資が目的なら、「半年で今より◯点」のように、現在地を測ったうえで現実的な期限つき目標を自分で置くのがおすすめです。満点ではなく「目的に必要な点」を目標にすると、勉強がぶれません。

ブランクが20年あります。何から手をつければいいですか?

いきなり分厚い問題集を買うのは避けましょう。まず「なぜ受けるのか」を1行書き、次に公式問題集や模試を一度通しで解いて現在地を測ります。そこでリスニングとリーディングのどちらが弱いかが分かれば、弱いほうから対策すれば十分です。20年ぶりでも、現在地さえ分かれば、あとは目標との差を埋めていく作業になります。

仕事が忙しくて勉強時間が取れません。

まとまった時間を確保しようとすると、かえって続きません。通勤や家事の「ながら時間」でリスニングを聞く、移動中に「さっきの単語の意味は?」と頭の中で思い出す、といった形で、すきま時間を学習に変えるのが現実的です。まとまった時間を1回取るより、短い学習を高い頻度で積み重ねるほうが定着しやすいとされています。「続く量」で計画を組んでください。

まとめ:今日の一歩は「なぜ受けるのかを1行書くこと」

最後に、40代・50代がTOEICをやり直す順路をもう一度確認します。

  1. 目的を言語化する — 昇進・転職・副業・自己投資・子との学び直し。なぜ受けるのかを1行で書く
  2. 目的から必要スコアを逆算する — 満点ではなく「目的に必要な点」を、一次情報で確認して目標にする
  3. 現状を測る — 公式問題集や模試で立ち位置を1回だけ把握し、弱点を見つける
  4. 弱点別に手段を選ぶ — リスニングとリーディングのどちらが弱いかで教材と時間配分を変える
  5. 続く形にする — 思い出す練習と、間隔をあけた復習で、戻り続けられる習慣にする

ブランクがあっても、順番さえ間違えなければ、やり直しは難しくありません。いきなり問題集を開くのではなく、まず「自分はなぜTOEICを受けるのか」を1行書くこと——それが、遠回りしないための最初の一歩です。

英語のやり直しを家族の学習も含めて全体から考えたい方は、家族で英語をはじめる完全ガイドもあわせてご覧ください。目的が決まったら、次は自分に合った手段選びに進みましょう。

TOEIC is a registered trademark of ETS.(国内実施団体:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会=IIBC)。本コンテンツは ETS および IIBC の承認・推奨を受けたものではありません。

出典・参考